先日、介護施設の職員さんから電気シェーバーのコツが知りたいとアドバイスを求められました。考えてみれば介護の現場で要介護者のヒゲを剃ってあげる場面もあるでしょうし、コツがあれば知りたいですよね。

この記事では介護の現場で電気シェーバーを使うなら、どうすれば効率よく行うことができるかがわかります。

電気シェーバーは下準備が大切

悩む介護士

料理にしても掃除にしても下準備ができていればスムーズに行うことができますよね。電気シェーバーでも下準備に全てかかっていると言っても過言ではありません。あとは、ちょっとしたコツを実践するだけで、誰でもキレイに剃れるようになります。下準備から見ていきましょう。

肌の状況確認

まずは要介護者の肌の状況をよく確認してください。特に首周りには小さなイボがあることが多いので注意しましょう。他にも、かぶれや傷口などあれば電気シェーバーで傷つけないよう覚えておきます。

ヒゲの長さは適切か

電気シェーバーは構造上、長くなったヒゲをカットすることができません。刃穴にヒゲが入らなくなるからです。長いヒゲは短くカットしてください。

ヒゲの長さは短ければ短いほど剃りやすくなります。長さが3ミリを越えると一気に剃りにくくなるので、少なくとも3ミリ以下にしておきましょう。

入れ歯を入れてもらう

入れ歯を入れることを嫌がる要介護者も多いですが、可能であれば入れてもらいましょう。入れ歯がないと口周りが凹んだ状態になり、電気シェーバーが肌にあたりにくくなります。

口腔内に支えになるものがないことで、電気シェーバーの圧力を空洞が吸収してしまいます。そのような状態の肌を剃ることは、熟練の理容師でさえ非常に難しいことです。

用意すべき電気シェーバー

下準備がしっかりできていれば高価な電気シェーバーを用意する必要はありません。基本的にどの電気シェーバーでも大丈夫です。

ただし、長いヒゲを短くするためのトリマー刃が付いているものを選びましょう。もしくは、短くカットできるバリカンがあればそれで構いません。

潤滑剤を使用する

潤滑剤には肌のすべりをよくし肌を保護する役割があります。仕上げに拭き作業が増えてしまいますが、結果的に短時間で行えますよ。

水洗いできない電気シェーバーであれば、電気シェーバー用のシェーブ剤(パウダーが入っている)もしくは、ベビーパウダーをつけ、サラサラの状態にすることで、電気シェーバーが肌をなめらかに動きます。

水洗いできる電気シェーバーであれば、泡やシェーブジェルをつけたまま使用できるものが多いので、潤滑剤を使用して電気シェーバーが肌をなめらかに動くようにしましょう。

汗ばんでいたり、皮脂の汚れが多いとベタついて電気シェーバーがスムーズに動きません。蒸しタオルなどで汚れを落としてから潤滑剤を使用してください。

電気シェーバーを肌にあてるコツ

電気シェーバーでヒゲを剃っているところ

下準備ができていれば、あとはちょっとしたコツを実践するだけでキレイに剃ることができます。それでは、理容師が教える電気シェーバーのコツをご覧ください。

刃穴にヒゲを入れる意識

電気シェーバーでヒゲが剃れる仕組みは、刃穴に入ったヒゲを刃穴内の刃でカットしているからです。なので、刃穴にヒゲが入らなければ剃ることができません。

電気シェーバーを強く押しつれば刃穴と肌が密着し過ぎてヒゲが入りにくくなり、早く動かしても刃穴にヒゲが入りにくくなります。肌に強く押しつけると剃れる気はしますが、実際には優しく肌を撫でるようにゆっくり動かした方がキレイ剃れます。刃穴にヒゲを入れる意識を忘れないでください。

生えてる方向に逆らって剃る

肌のことを考えれば、毛の流れに沿って行う方がダメージは少ないです。そのかわり刃穴への入りが悪くなり剃り味も悪くなります。反対に毛の流れに逆らって剃ると肌へのダメージは大きくなりますが、刃穴への入りはよくなりキレイに剃ることができます。

ダメージを軽減するために下準備で、剃りやすくなるアイテムを用意しました。時間をかけずキレイに剃りたいのであれば、毛の流れに逆らって剃ることを意識しましょう。

そもそも、電気シェーバーは刃先が肌に直接触れるわけではありません。カミソリで剃るときほど肌へのダメージを気にしなくて大丈夫です。

両手をフルに活用する

電気シェーバーを持っていない⼿を常に肌に添えておきましょう。電気シェーバーが肌にあたりにくい部分であれば、移動させるイメージで引っ張ったり、たるんだ肌なら伸ばすように広げたりすると剃りやすくなります。

横方向に向いているヒゲは、起き上がるように肌を引っ張ることで、刃穴にヒゲが入りやすくなり癖ヒゲもキレイに剃ることができます。ここでも刃穴にヒゲを入れる意識が出てきましたね。それだけ重要なポイントになります。

電気シェーバーの手入れ

電気シェーバーを掃除しているところ

キレイに剃るためにも、電気シェーバーを長持ちさせるためにも、使用後のお手入れは必ず行うようにしましょう。

毛くずをとる

使用後は付属の手払いで毛くずを取り除きます。水洗いできる電気シェーバーであれば水洗いしたほうがより衛生的です。

油をさす

毛くずを取り除いたら刃の部分に油をさします。面倒に思うかもしれませんが、このひと手間が電気シェーバーを長持ちさせることに繋がります。水洗いしたときは、しっかり乾かしてから油をさしてください。

定期的に刃を交換する

切れ味のいい状態を維持したいのであれば、一年に一度は刃を交換しましょう。本体ごと買い替える必要はなく、電気屋さんで替え刃のみ購入することができます。

まとめ

難しく感じる要介護者への電気シェーバーですが、しっかり下準備をして刃穴にヒゲを入れる意識で行えば、短時間でキレイに剃れるようになります。

もし上手く剃れなかったとしても、トリマー刃やバリカンでヒゲが短く整えてあれば見栄えは悪くありません。ツルツルに剃ることにこだわらず、最低限の見栄えを意識して気負いすぎないことも大切です。

明日になればヒゲは伸びてきますよ。

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