訪問理美容では理容師が絶対に必要です。なぜなら、刃物を使った顔剃りは理容師しかできませんからね。

しかし、訪問理美容に限らず、理容業界でも理容師の成り手が少ないのが現状です。どうして理容師が少ないのでしょうか。

この記事では以下のことがわかります。

どうして理容師が少ないのか

理容師が少ない理由は多岐にわたります。若い世代が理容師の職業に対して以前ほど関心を持っていないことと、理容師の高齢化が主な理由です。以下にいくつかの要因を詳しく解説していきます。

理容師になるには時間がかかる

理容師になるためには専門的な教育と訓練が必要です。そのためには専門学校に通い国家試験に合格しなくてはいけません。

サロンで働き始めてからも営業時間後に毎日練習する必要があり、一人前の理容師になるには長い時間がかかります。

これに対して他の職業では比較的短期間で資格を取得できたり、オンザジョブでの研修が行われることが多く、理容師のように職人気質の修業時代的な感覚は敬遠されやすい傾向にあります。

長時間労働の割に給料が少ない

理容師は長時間労働や週末の勤務が求められることも多く、労働条件が厳しいと感じられることもあるでしょう。

また、理容師の報酬は地域や経験年数によって異なりますが、一般的には他の職業に比べて低い傾向にあります。

経済的な安定やプライベートの充実を求める若い世代にとって、労働条件や将来性が魅力的でないと感じられても仕方ないでしょう。

福利厚生が充実していない

理容業界では個人が経営する小規模なお店も多く、社会保険を完備しているところは殆どありません。

最近でこそ社会保険完備に力を入れるお店も増えてきましたが、それでもまだまだ多いとは言えない状況です。

それに社会保険完備に力を入れているのは、美容業界の方が進んでいる傾向にあります。これらのことも若い世代にとって理容師が魅力ある職業に写らない原因でしょう。

ドラマの影響

ドラマの影響も大きかったように思います。2000年1月から3月に放送された『ビューティフルライフ』。木村拓哉さん演じる美容師の男性と、常盤貴子さん演じる難病を患う女性とのラブストーリーでした。

ドラマが放送される前から「理容業界は古臭く、美容業界の方がオシャレ」というイメージはあり、同じ髪を切る職業であっても美容師の方が人気がありました。これらのイメージがドラマをきっかけにより強まったように感じます。

両親が理容室を経営していても理容師ではなく、美容師を選択する若い世代も増えました。

理容師の高齢化と引退

若い世代で理容師としてのキャリアを始める人が増えないなか、ベテランの理容師が高齢になり引退していくことで理容業界全体の労働力が減少しているのが現状です。

訪問理美容こそ理容師が必要

できること比較

美容師 理容師
カット

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カラー

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パーマ

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顔剃り

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美容師 理容師
カット

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カラー

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パーマ

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顔剃り

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カット、カラー、パーマは美容師にも理容師にもできます。しかし、刃物を使った顔剃りは理容師にしかできません。技術があるなしの問題ではなく、そもそも理容師法、美容師法で定められているのです。

このことだけでも理容師がいかに貴重な存在なのか伺えますね。それにもまして、訪問理美容では顔剃りが重要な意味を持ってきます。

訪問理美容での顔剃りは高難度

  • 髭が濃い
  • 皮膚がたるんでいる
  • 骨ばっている
  • 入れ歯を入れたがらない
  • 長時間の同じ体勢がつらい

これらは訪問理美容で顔剃りをされる男性のお客様に多い特徴です。ただでさえサロンのように整った環境で顔剃りを提供できるわけではないのに、これらが合わさることで難易度が格段に上がります。

整っていない環境でサロンに来れるお客様とは全く違う状態のお客様に顔剃りをすることが、どれだけ難しく大変なことか理容師さんなら想像していただけるでしょう。難しく一般の人には剃りにくい高齢のお客様だからこそ、プロ(理容師)による顔剃りが必要になります。

※顔剃りについては改めて別の記事にて紹介します。

女性のお客様は思い入れがある

顏剃りをされる女性のお客様は子供のころから床屋さんで顔剃りをしていた経験があり「子供のころから顔剃りが好きだったのよ」と言っていただけるように、顔剃りに思い入れのあるお客様も多く懐かしさを感じていただけているようです。

顔剃りにはムダ毛と一緒に古い角質を除去する効果があり、フェイシャルエステの要素も兼ね備えています。ツルツルもちもちの肌は一度経験するとやみつきです。

訪問理美容で解決すること

長時間労働の割に給料が少なく、待遇面も希薄で将来性が感じられないイメージの理容業界ですが、訪問理美容ならいくつかの問題を解決できます。

理容師の仕事はサロンでのサービス提供だけではありません。理容師さんは訪問理美容を新たな働き方の視野に入れてみてはいかがでしょうか。

充実した福利厚生

訪問理美容で従業員を採用するような業者は、個人ではなく殆どが法人として活動していることもあり、社会保険完備の業者が多いです。

また、有給休暇や法定外労働に対しても基準を守る業者が多い印象です。このことから訪問理美容会社に勤めるのは福利厚生の観点からも良い選択肢の一つではないでしょうか。

プライベートの充実

訪問理美容であれば、サロンワークと違い10時間も拘束されることがありません。施設でも、在宅でも17:00以降の滞在は敬遠されるため、夕方からの時間は自分のプライベートに充てられます。

また、訪問理美容は家庭と両立しやすい仕事でもあります。「子育ても仕事も頑張りたい!」「扶養内でムリなく働きたい!」そんな希望が叶います。子育て中のママさんも安心して働けるお仕事。それが訪問理美容です。

まとめ

一人前の理容師でないと訪問理美容は務まりません。基本技術を持ち合わせたうえで、様々なシチュエーションに臨機応変に対応していくことが求められるからです。

待遇面やプライベートの充実など訪問理美容で解決できることも確かにあります。ですが、一人前の理容師になるにはサロンで修行を積むしかありません。

まさに匠というべき技術を持ち、かつては医者の役割を担っていた理容業界。このまま縮小してしまうのは寂しいです。若い世代に魅力的な業界となり、この素晴らしい技術が受け継がれていくことを切に願います。

「訪問理美容に興味があるけど美容師の方が需要があるのでは?」と躊躇している理容師さんがいたら思い切って始めてみてください。きっとお客様に喜ばれ重宝されますよ。

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